<Italy 2004>
Director : Paolo Sorrentino
Cast : Toni Servillo(Titta Di Girolamo), Olivia Magnani(Sofia)
Synopsis:
イタリア語を話すスイスの湖畔ホテル、現在。
50才の紳士ティッタは、株ブローカーだった頃、マフィアのお金を投資して大損。その埋め合わせのため、8年前から家族と離れてこのホテルに滞在(監禁)させられ手先としてある仕事をしている。
一人でいることの多いTittaだが、時折ホテル支配人と、ある夫婦(このホテルのオーナーだったが夫のギャンブルで手放した)と賭けのカードのゲームをする。
ロビーのバーで働くソフィアは、同じ場所に座るティッタにいつも声をかけるが、ティッタは無視。ある日、我慢しきれず、ティッタの態度は失礼だとソフィアが直接不満をぶつけたことから、その後二人の関係が微妙に進展していく。
ティッタはソフィアに車を買い与えるが、ソフィアは事故死。いっぽう、ティッタはマフィアのお金をくすねたことから、コンクリートに生き埋めされる。
Comment:
こういう高級感あるお洒落なシチュエーション、好きです。ジェームス・ボンドを彷彿させるスマートさといいましょうか。ホテルにいわゆる監禁されているティッタはいつもびしっと背広を着こなし、クールにたばこをふかし、マフィアの手先として銀行に出かけるときは一秒と狂いのないタイムスケジュールで高級車をさっそうと運転。
20代のソフィアが気になるのに、子供じみていると思われほどの無視の仕方。このソフィア、見ればみるほど目が離せなくなる魅力をもってますねぇ。
ティッタのクールさがソフィアの一言でくずれ、マフィアのお金に手をつけて...。マフィアのゴッドファーザーに呼び出される場面では、あのクールさはどこへやら。おどおどする普通のおじさんになるところ、演技とはいえ、見たくなかったなぁ、なんて。007じゃないですもんね。ともかく、中年おじさまの恋の代償はあまりにもむなしいものだったのでありました。
小粋なユーモアをちりばめてあって、ここちよいくすくす感。たぶん、イタリア語独特のユーモアがあったのでしょう。一部観客の大きな笑いを誘っている場面もいくつか。英語字幕では、はしょられたのかも。
最後の最後に20年以上も音信がない”ベストフレンド”の今の姿を想像するティッタ。このシーンが感慨深い余韻を与えてくれます。
★★★☆☆