<France/Canada/UK 2004>
カンヌ映画祭2004(主演女優賞)
Director : Olivier Assayas
Cast : Maggie Cheung (Emily), Nick Nolte (father-in-law)、James Johnson(Lee)
Synopsis:
現在、カナダ。
エミリーは売れないロックスターのボーイフレンド・リーのために、ミュージック界のツテをいろいろとあたるが、進展のない日々でドラッグにも手をだしている。ある晩、二人は口論となり、エミリーが飛び出した後、リーは大量のドラッグで死んでしまう。現場に戻ってきたエミリーはドラッグ所持で6ヶ月の刑務所入りとなる。
6ヵ月後。刑務所から出ると、エミリーはリーの両親に、預かっているエミリーとリーの息子ジェイには当分会わないでくれと伝えられる。息子はエミリーが父リーを殺したと思い込んでいる。
以前フランスのミュージックテレビのホストをしていたエミリーは職をもとめて、パリに行くが、結局、チャイニーズレストランや洋服店で働くことに。同時に、ミュージシャンとしての夢も捨てきれず、ときおりデモテープをプロデューサーに送っている。
一方、ロンドンでは、なくなったロックスター・リーの追悼CDが発売されることとなり、両親はカナダからジェイもつれてロンドン入り。 義理の母はいまだにエミリーを許すことができないが、義理の父アルブレヒトは、なんとかエミリーにジェイをあわせてやろうと画策。
ドラッグもすっかりやめたと聞いて, アルブレヒトはロンドンからジェイをつれてパリへ。そこで、エミリーはやっと息子と対面する。その矢先、アメリカから彼女のデモテープを気に入ったとの連絡が入り、レコーディングにすぐ来るようにとの連絡が入った。
Comment:
2004年のカンヌ映画祭でマギーチェンが主演女優賞を受賞。この受賞にはクエスチョンマークも多くあったようで、どうも、審査員の一人タランティーノ監督が彼女の大ファンだからとの憶測も。
監督のAssayasの、コスモポリタンで異端児的?な映画はいつもフランス映画界に何かしらの雑音をつくりだすようですが、今回は、そういった意味では、いたってEmotionalな”普通”の作品で、マギーチェンの元夫でもある監督が、彼女のために書いた脚本。マギーチェンと結婚することになった1996年の”Irma Vep”の中の香港映画女優という設定にマギーチェン自身を使ったように、今回もロックスター役に実際の英シンガーが出演しています。
クラブでのロックシーンや、ドラッグなど限られた世界におさまってしまいそうなところを、義理の父親役のニック・ノルテの人間味ある演技がこの映画に普遍性をもたらしています。観客がエミリーに同情がわいたとしたら、それはきっと義理の父の目を通して彼女をみているからでしょう。
中国語はもちろん、英語、フランス語をこなすマギーチェン。"In the mood for love", "Hero", "2046"で存分に魅力を発した彼女の、また新しい演技の分野をみせてもらいました。好きなのよね、この女優さん。
★★☆☆☆